大鳥さんは、獄中日記のなかで、物凄い量の(笑)漢詩や和歌を書いています。
その中から今回は和歌を取り上げてみました。
ほら、漢詩って感性だけじゃ理解できないしさ…(要は私が訳せないのでつまらないのです。爆)
和歌なら、詠んで「あーね」って思えそうだし?
8/28
くさくさの事を願いいづれど今にゆるしなければ
『流れ落る瀬川の水を汲わけて 底のまことを志(知)る人ぞなき』
9/1
『かげきよく心も清くすみわたる 人屋の窓の月ぞ友なる』
『志(し)ばしまて月にかかりしむら雲を またふきはらふ風もふかなん』
『浮雲に志(し)ばしば影をかくしてぞ いよてりまされ月の光りは』
『葎生のつゆときえゆく身にしあれば ましてゆかしき秋の月かげ』
『ながむれば妻子のことを思い出で 月にもぬるる袖のつゆかな』
9/2
『小夜ふけてゆめさむる頃あなにくや こえふりたたてすずむしのなく』
『つつ井筒いづつのいずみ汲むをと(音)も ききてうれしき秋のあけぼの』
『寄るべなき身はあら磯のうき草よ こころしてふけ秋の浪かぜ』
9/3
『今更に思い出してもいさましく 風まつ島の船のけしきは』
『身にしみて筑波のあらしいとさむし ゆきふりそめんえぞの志ま(島)やま』
『あめやふると芝の戸を(押)せば月さへて 庭のあらしに木の葉ちるなり』
蝦夷の事を思い出でて
『えぞのうみのふかき心も人知らで ただ白浪の名をやわすらん』
故郷の月
『月のみはむかしながらのながめにて たえてかはりし人心かな』
9/4
去年の仙台の事を思い出でて
『百々千々に思ひこがせし世の事も けぶりときえし志ほがま(塩釜)の浦』
秋雨帰郷
『はれまなくすみ田の志(し)ぐれふるさとに かへりて猶もぬるる袖かな』
『小夜志(し)ぐれはるるひまなきつれづれに ふりしむかしの友ぞ悲しき』
9/5
人屋に入りて後歌よむ道を学びそめしに
『今よりは世をすつる身のひたすらに たどりても見ん志(し)きしまの道』
陸奥の忍郡を過ぎしとき
『みちのくの去年のみぞれに里あれて 志(し)のぶもぢずりとふ人もなし』
9/6
は志(じ)めて西洋の文を見し人によみてつかはしける
『西の海のすぐなるをしへかく文を かにのあゆみと見るもうたてし』
『一しぢにかにのあゆみの文よみて 見わけよ西の海のよしあし』
9/7
憶故園菊
『植おきしあるじなしとも白菊の むかしの色に咲にほふらむ』
9/10
『槊とりてながめしこともあるものをいまは涙もはれぬ月かな』
9/16
『おもふまじとおもへど思ふこしかたを 志(し)のぶもながき秋の夜の夢』
10/3
(きぬ川の辺を経て昨年の春藤原にありしこととも思い出でて)
『去年の春さかり来て見しきぬ川の さくらもいまはもみぢしにけり』
10/5
(白河を経し時を思い出て)
『うき旅とたれしらかはの関越えて あすはをかまんくろかみのやま』
10/10
前大君去年の春御けしき蒙らせられてより駿河の国におはしけるにこたび御ゆるしありしことを承りて
『あかねさす朝日のかげに空晴れて くもいに澄める富士のしろたへ』
10/11
『むかし思ふ寝ざめの床に洩る月の かげにも沾るるそでのつゆかな』
去年の春家を出でし時を思ひ出で其時のこころをよめる
『うらむれど春もむかしの春ならぬ しづかまがきにはなは咲けども』
10/13
暮秋述懐
『きのふまでさかえし庭の秋くさも おくはつしもにいろかはりゆく』
10/28
『小春てふ露のめぐみにいちくさも かへりはな咲くむさし野のはら』
『きのふまで色うつろひし蝦夷菊も あはれ小はるにかへえりさかへり』
すいませんまだ未完成です・・・涙