土方歳三にとって道義とは
薩長に対して、仙台藩が降伏をしようとしていたために、説得に向かった土方さんと榎本さんのお話。
土方さんはこんなふうに言いました。
「有利、不利は別として、(薩長のやってることは)弟が兄を討ち、臣下が君主を征服するというようなものです。
変るはずのない倫理は地に堕ち、道徳は全くすたれてしまいます。
こんなことで、どうして国家政治を指導することができましょうか。
武士道を理解し、徳ある聖人の教えを知っている者は、薩長と手を組むべきではない、と信じています。
貴藩は、どのように見ておいでですか」
格好良くないですか!?
これこそが、土方さんの道義なのですね。
これだけの強い信念を持って土方さんは戦っていたわけですよ。
素敵です。男前です。惚れますね。
が、しかし。
この面会で相手をしていた遠藤さんという人は、土方さんのことを
「度量の狭い小人物で、論ずるにあたらない」
と言っています。苦笑
実際仙台藩は、このときすでに降伏を決めていましたからね。
あーあ。酷いなぁ。
因みにこの日に、土方さんは仙台藩主に謁見を許され、そのときに水色の下げ緒(刀のね)を頂いています。
この下げ緒、佐藤彦五郎資料館にありますよ。是非、行かれた際には見てみてください。